Runa&Emi(ルナ&エミ)partV


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                     【〜Her Lingering scent〜2〜

 
                           

『エミ〜 ロスに帰国する前に電話するね』


軽くハグしたミサオから懐かしい海の香りが漂った


〜Her Lingering scent〜


鼻先を霞めるミサオの残り香に…消えないでと言葉が追いかけた


「…あ、あの ミサオさん 空港に見送りいってもいいですか?」


ミサオは答えずじゃあね…と手を振るとくるりと背中を向け改札を通り抜けた

(…聞こえなかったのかしら…?)


歩くミサオの背中を見つめた

(…またあらためて電話で出発の時間を訊こう) 

ホームに下りる階段前でミサオはふり向くと大きく手を振った
笑顔が寂しく感じたのは気のせいなのだろうか…





コンコースを歩きながら
ルナに向かう電車に乗ろうか迷った

どうしたんだろう…ルナ
メールの返信もこずCALLしても繋がらない


疲れて寝てるのかな…
それともまた急な仕事で出かけたのかもしれない
時計に目をやりながらも…
迷っているはずの足は自然にルナに向かっていた

…ルナに会いたい



電車に乗り込んだとき メールが届いた
ルナからかもしれないと慌てて開く

そのメールは、ミサオからだった


件名:見送り拒否(笑)

本文:エミ〜空港に見送りになんかきたら 
今度こそ強引にロスに連れていっちゃうからね(笑)
早く彼女んとこ行って仲直りしなさい〜。
また電話するね  サンキュー エミ〜!

 
ミサオさんったら…やっぱ聞こえてたんだ


いつものハスキーボイスが聞こえた気がして
思わず胸がアツくなった
  
ミサオさん…ありがとう…。


ルナの最寄り駅まであと3駅
…もう一度ルナにメールした




.....





その頃 ルナの部屋では…
目覚めたマユがベランダで空を眺めていた


「ルナ〜 雨降りそうだよ」

マユの声に、窓の外に目をやると灰色の空が重く広がっていた

雨か…

昨夜は眠れず…重ねてこの空模様 
どうりで頭痛がするわけだ こめかみに手をあてた

帰り支度を整えたマユが心配顔で窺う


「ルナ 大丈夫? 私のせいで眠れなかったんじゃない?」


『大丈夫よ それよかマユはよく眠れた?二日酔いは?(苦笑)』


両腕を伸ばしてストレッチポーズをしながらマユは言った


「このとおり気分爽快〜♪ルナのベットで眠れて幸せな夢見てたわ』


『そっか…(苦笑)』


「さ〜て 私はそろそろ帰るね!またエミさんと鉢合わせしちゃ大変だし〜」


マユが携帯を開いたのを見て思い出した

 
…そうだった

昨夜 切れた携帯を充電したままだった


エミからのメールを読んだのはマユを
エントランスまで送り部屋に戻ってからだった


メールと時間を見て…ため息をついた


エミィ タイミング良過ぎるよ…(苦笑)


でも大丈夫
誤解なんてもうさせないから…







                                                     





ほめ