TYPE HTML Runa&Emi(ルナ&エミ)partV


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                   【〜Her Lingering scent〜3〜

 
                           

駅を出ていつものコンビニの前で足が止まった


…ルナ 寝てるかな?
なにか軽く食べられものでも買って行こう


自動ドアの前に立ったとき名前を呼ばれた


「エミさん〜」


ふり向くとマユがにっこりとエクボをみせて立っていた


『マユさん…』


驚いた…。
こんなところでマユに会うなんて
でも ここで会うってことは もしかして…


『あのう マユさん…。 ルナのところに?』


「そうなの…。 昨日ね ルナの部屋に泊めてもらったの〜」


(え…泊めてもらった?って)


一瞬 耳を疑った…と同時に頭の中で色んな場面(シーン)が重なった


『…あ、あの…マユさん… ……あの…』


次の言葉が出てこない
私は何を訊こうとしているんだろう… 


詰まる私にマユが首を傾げたとき 携帯が鳴った


「はい もしもし〜♪ うん〜!いま駅に向かうところよ…」



誰かと話すマユの隣で…呆然と立つ私の頬にポツリと冷たい雫が落ちた


…雨


手のひらを開き 灰色の空を仰いだ


…ルナ 私も泣きそうよ



携帯を閉じて振り返ったマユから
ルナの部屋の香りが微かに漂った気がした

「エミさん ルナのところに早く行ってあげてね」

マユは私を促すと小走りに駅に向かっていった




コンビニの軒先で雨を避けしばらく佇んでいた
雨足はだんだんひどくなりサンダルのつま先を跳ねる雨粒が濡らす


(ルナの部屋に泊めてもらったの〜)
頭の中でリピートするマユのセリフ

私が部屋を出てから…何があったんだろう

きっと何か事情があったに違いない
ルナを信じてる 信じなきゃ…

そう思う心と、過去にあった二人の関係を知っただけに
また、なにかがあったのかもと不安が押し寄せる

私だって昨夜は、ミサオと過したんじゃない
ルナを責めることはできない…

いいたいこと素直にぶつければいいのに
どうしていえないの…

自問自答を繰り返す 
そんな自分の優柔不断さが嫌いだった



 
こんな気持でルナに会わないほうがいいかもしれない


雨に濡れるのを覚悟で駅に向かって歩き出した時


ふいに腕を掴まれた…


「え…」


ふり向くと…


ルナが私の手を引き傘を差しかけた 


『エミィ 何してるの…遅いじゃない(微笑)』


「ルナ…」








                                                     





ほめ