第3話

**赤が似合う人**





彼女のきれいな瞳に鼓動が高鳴った


完璧な一目惚れだった


彼女のことを知りたい もっと近づきたいそう思った


さっき彼女がはずしたルビーのピアスが
テーブルで光った


私はこのピアスの贈り主が気になった…


『ルビーは貴女の誕生石?あっ今日がお誕生日なら違いますね 今 5月だし…(苦笑)』


『ええ…違います』


グラスの氷を揺らす…彼女の栗色の髪が胸元で揺れた


『…ルビーはね 彼女の誕生石なの…』


『そうなんですか…』


『自分の誕生石より彼女の誕生石を身につけていたかったの…
それに…彼女が私には赤が似合うって…私も赤がすきだし…(微笑)』


『ええ 似合っています…赤が…』


赤いニットの胸元に目が行き慌てて逸らした


『…ねぇ 貴女も失恋組?』


『ハイ…ひとりで自棄酒煽りに来ました…情けないです〜(苦笑)』


『じゃあ 失恋同士 一緒に自棄酒で乾杯しましょう』


グラスを持ち首をかしげるポーズがとてもセクシーで
私はもうノックダウン寸前だった





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