午前2時 

この街は眠らないのだろうか…


燻らす煙草のけむりが
窓越しに散らばるビル群の明かりにモヤをかける

窓に映る高層ビル群をリオは
しばらくぼんやり見ていた



今夜は帰らないで…


その台詞を訊くといつもしらけてしまう


私だけが特別なんて媚びる目をされると


こころが忽ち萎えていく


おあいにくさま…
気まぐれだからね


君達は 一体 私に何を求めてる…?


まさか 愛なんて言わないだろうね(苦笑)


残念だけど…


私が捧げる愛は ただひとりにだけなんだ





だから…


今夜は愛しいひと(女性)がいるこの部屋に
戻ってきたんだ


『リオ シャワーを浴びてきて…でないと指一本 触れさせてあげないんだから』


シャワーを浴びて ブルーコンタクトを外すリオ


寝室に戻ると…すでに彼女はベットで寝息を立てていた


「…しょうがないな もう寝たんだね
久しぶりに会えたっていうのに…」


そっと隣に体を滑りこませて彼女の頬を撫でた
強がりな唇を指でなぞる


「ごめんね いつも待たせてばかりで…」


うっすらと涙の痕が残る頬に唇を這わせる


ゆっくりおやすみ…


大丈夫だよ… 


今夜はどこにも行かないから


朝までずっとこうして
寝顔を見ててあげるよ…


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A mutter〜リオ〜

戯れの合間に