返事をするかわりにリオは時計に目をやった
一瞬 目を輝かせたメグミだがリオの表情にすぐに溜息混じりに締めくくった
「…ってな わけないよね 終わったら彼女のもとへ直行なんでしょう」
そういいながらリオの膝にさっきの包みを置いた
「義理チョコだと思わないでね ちゃんと気持込めて作ったんだからね」
『ありがとう メグ』
「リオに彼女がいても わたしはリオが好きよ」
『…困ったな(苦笑)』
「困らないで 勝手に好きなんだから」
メグミがグラスを置いた時 チークタイムの定番のメロディーが流れ出した
「最後までいてよかったわ」
リオの手を引き立ち上がるメグミ
身体を密着させメグミが囁く
「ねえ 今夜は言ってくれないの?」
『ん?なにを』
「香り…」
化粧室で付け直してきたのにとメグミが拗ねた目をした
『香り?』
リオはメグミがつけてたパフュームがいい香りだと褒めたことを思い出した
『ああ なるほど…』
メグミの首筋に顔を近づけて頷いた
『ごめん 今夜はチョコの香りで臭覚が鈍感になってたみたいだ(苦笑)』
「嘘(笑) きっと誰かのことで頭がいっぱいで鈍ってるんでしょう」
チークタイムの音楽が終わり
閉店を知らせるメロディーに切り替わった
リオは、おやすみとメグミの手の甲に軽くkissをした
「まだ寝ないわよ リオも今夜は寝ないんでしょう うふふっ」
意味深に笑うメグミの言葉に
ゲストと席に戻る途中のカオルが会話に参加した
「きっと寝ないよ 特別な夜だからね(笑)」
『いや ちゃんと寝るよ』
苦笑いをしながらリオはカオルの肩を小突いた
閉店だから帰るわとメグミが席を立った
『ありがとうございました 気をつけてお帰りください』
ドアを開けるとメグミはせつなくリオを見詰めた
「彼女と私のあげたチョコたべないでそれと今度は約束…忘れないでね」
OK
リオはウインクで答えた
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バレンタイン(2)
■Tonight partner by メグミ