「ひさしぶりね リオ」
助手席に乗り込むと耀子のお気に入りのフランス香水が車内に漂っていた…
『この香り あまり好きじゃないな』
リオの開口一番に 耀子が怪訝顔で両サイドのウインドウを少し下げた
「いつもつけてる香りなのに どうして今夜はそんなこというの リオ?」
『ああ ごめん ちょっと さっきの残り香と比べたかな(苦笑)』
「えっ?残り香って何よ」
『さっきまで隣に座っていたレディがねつけてたパヒューム…いい香りだったんだ』
「もしかして その香りに誘惑されちゃった?」
『いや…まだ されてないよ』
「まだって?…」
信号が青に変わると耀子は予定変更するわと
ウインカーを左に出しハイウエイに流れる車線から外れた
『耀子 海を見に行かないの?』
「そんな気分じゃなくなったわ…」
すぐ先に見えたHOTELの看板
派手なネオンサインの矢印が誘導する 白い建物に耀子は車を入れた
エンジンを止める耀子にリオが言った
『海を見に行きたかったのにさ』
「…リオの気に入らない香りをシャワーで流したいの…」
「お待たせ♪ リオ」
シャワーを終えた耀子がバスローブを羽織りリオの隣に腰掛けた
退屈な映像のテレビをオフにして リオは2本目の煙草を指に挟んだ
すかさず ライターの火をつける耀子
『相変わらず耀子は強引だね(笑)』
「そうよ でなきゃリオからは、絶対誘ってくれないじゃない」
『絶対(笑) いや 誘うときだってあるよ』
「えっ そうなの…。リオから誘われたひとがいるなんて なんだか くやしいわ…」
耀子の唇を見つめながらリオは薄笑みを浮かべた
「ねえ リオ そんなことより…好みでない あの香り 消えたでしょう?ほら… 」
バスローブをずらし はだけた胸元を
リオに密着させる耀子
その胸元に顔を近づけるリオ
『そうだね シャボンの香りしかしないよ』
「ねぇ リオ その気に入ったパフュームはどんな香りだったの?」
『どんなって う〜ん とにかくいい香りだったよ(微笑)』
「ねぇ リオ その香りに誘惑されないでね」
『さあ…(苦笑)』
「いやよ リオ 」
拗ねた目でリオの腕に凭れる耀子
「あの香りはもうつけないから…」
『わかったよ されない(苦笑)
それより 耀子 海を見にいこうよ』
「いまから?」
『そう 今からだよ』
ソファの前のベッドに耀子の視線が泳ぐ
「いいわ でもその前に…」
耀子は立ち上がりバスローブの紐を解いた
バスローブが足元に落ち 全裸になった耀子がリオの手を引く
「先にベットの海に行きましょう」
『やれやれ ほんとに強引なレディだ(笑)』
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パヒューム(2)
■Tonight partner by 耀子