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【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜告白〜】
バイオレットブルーのカクテルが揺れた…。
トオルにブルームーンをすすめられるのは3度目だった
『今夜はエミさんとふたりだけで…乾杯だね…』
トオルはドライマティーニを頼んだ
ブルームーンとドライマティーニの
グラスを合わせる音にカクテルの甘い香りが漂う
『やっぱり…エミさんはブルームーンが似合うね…(微笑)』
私が手に持つブルームーンのグラスを見つめるトオル
なんだか今夜もトオルのペースにすっかりはまってる気がした
『あの曲【Blue Moonの瞳】は…はじめてエミさんに逢った夜浮かんだんだ
転送ラブソングの【つれない君】もね…』
トオルの熱い視線を感じるが目を合わせられなかった
なんだか心揺れそうな自分がいそうで恐かった
『あの夜 エミさんに一目惚れしたっていったよね…逢ってすぐそんなこと言って軽いヤツ
って思われたかもしれない でもホントなんだ 真剣な気持伝えたくてだから…想いを曲に託したんだ…』
『トオルさん…気持はとても嬉しいんですけど…でも私…』
途切れた言葉に…沈黙するふたり
♪〜
心を盗むように…
彼はメロディーを奏で
私を引き裂く
沈黙は途切れ…
溜息だけで言葉は出ない
〜♪
店内に流れるBGMの曲に耳を傾け…
この曲はブレンダ・ラッセルだなとトオルが呟いた
『ねっ…エミさん 会場でマユに会ったね?』
『ええ…会いました…』
『ライブ終ってからマユが楽屋に来たんだ…エミさんに会ったわっていうから
なに話したんだって訊いたんだ…』
『…曲を捧げたい相手はエミさんだったですね…って言われました…』
トオルが頷きながらドライマティーニのグラスを見つめた
『マユに…エミさんはね 好きな人がいるから無理よって言われたよ(苦笑)』
『……』
好きな人…それはきっとルナのことだろう
どう 返答すればいいのだろう…
まさかマユはルナと私の関係をトオルには言ってないだろう…
再びふたりの間に沈黙の時が流れた…
ブルームーンのグラスに映ったトオルの瞳が揺れた
『好きな人がいても…かまわないよ エミさん…』
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