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【〜それぞれの愛〜Blue Moonの瞳〜元カノ〜】
声のする方に振り向くと小柄な女性が立っていた…
その女性は目が合うとペコリと頭を下げた
顔を上げ笑みを浮かべた頬のえくぼに見覚えがあった
それはマユだった…
『以前・・・ルナの部屋の前でお会いしましたね…』
私を見詰めるマユの瞳がなぜか鋭く感じた
その瞳に言葉がもつれた
『・・・あっ・・・あの時…の マユさんでしたね?』
私とマユの様子にあゆみが手を振った
『エミ〜 わたし達はこれで…また会社でね〜♪』
あゆみに手を振る私にマユはもう一度頭を下げた
『お話中にお声を掛けちゃってすみません・・・』
『いえ…』
『・・・あの曲【Blue Moonの瞳】聴いてて私も感動しました
トオルが曲を捧げたい女性ってエミさんだったんですね…』
『・・・』
返答に迷う私の表情に
『あの時は、失礼しました・・・』
・・・とマユは続けた
『えっ…?』
『ルナの…』
その時・・・マユの言葉を遮るかのようにクラクションが鳴った
『エミ 早くぅ〜! ここ駐停車厳禁地帯なんだからね〜』
数メートル先の車道に停車した
シンジの車の助手席の窓から亜紀子が叫びながら手招きしていた
結局 会話は途中のままで私は亜紀子たちの車に急ぎ
マユは再びライブハウスの中に戻っていった
・・・どうしてマユがいたんだろう?
あ、でもトオルのライブだからマユが来ててもおかしくはない
それにマユはトオルさんの元カノだものね…
(…元カノ…)ふと ルナの顔が浮かんだ
そういえばまだルナとマユの関係を私ははっきり知らなかった
只の友人なのか それとも…
頭の中でいろんな関係が線を作った
さっきのマユの鋭い瞳が浮かんだ
そっか・・・ライブ中に何度か感じた誰かの視線はマユだったんだ
『あ、エミとさっき話してた女の人さ〜トオルくんのバンドにいたんだよね
ねっ シンジ?』
シンジに確認するように尋ねる亜紀子
『ああ たしかそうだよ 見たことある子だなって思ってたんだよ』
『・・・っていうことはあの人がトオルくんの・・・・』
亜紀子は私を気にしてなのか…言いかけてやめた
『あっ 亜紀子 私・・・トオルさんとはね…』
言いかけてハッとした…
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