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Runa&Emi(ルナ&エミ)
INDEX
【〜懐かしい瞳〜】
『エミ ちょっとまって』
席を立つ私をミサオが引き止める
『ねっ エミの携帯番号教えて?』
『私 もうしばらく日本にいるから また会わない?エミの恋話もゆっくり聞きたいしね〜♪』
『あっ はい(微笑) じゃあ…私もミサオさんの番号教えてください』
ミサオは携帯を開き番号を私に見せた
『私のはこの番号ね 滞在中レンタルだから憶えてないの〜(苦笑)』
番号をうつしながら…
ふと…あの朝のルナの哀しい瞳が浮んだ
…なんだか軽い胸騒ぎがした
―駅に急ぐ途中の信号待ち 鳴る携帯
亜紀子からだった
『エミ〜今どこ?』
『ごめん〜亜紀子 今 ○○駅なの これから電車のるから〜』
『えっ〜! まだそんなとこなの〜
間に合うエミ〜?』
『う〜ん ぎりぎりかも〜 とにかく電車乗るね』
『うん じゃあ 待ってるね〜! あっエミ〜 着いたら携帯鳴らしてね』
改札口でミサオと別れホームに急いだ
タイミングよく滑り込んだ電車に乗り込んだ
ドアの近くに立ち窓にうつる流れる景色を眺めていた
2つ目の駅を過ぎた頃 雨が降り出した
…雨
(ルナは傘を持って出かけたかな…)
朝のルナからのメールを開いて見た
今日も休日返上で仕事だという嘆く顔文字にエミの予定は?と書いていた
ルナの問いに友人と出掛ける予定…とだけ返信したのだった
内緒にするつもりじゃないけど…
トオルのライブに行くことを何故か書けなかった
(今度会った時にちゃんと話そう…)
ルナの文字を閉じた時
さっき予期せぬ再会をしたミサオの顔が浮かんだ
エミと呼ぶミサオのハスキーボイスと懐かしい瞳に心が揺れた
私の頭の中でルナとミサオの黒い瞳が交互に巡っていた
強く惹きつけるミサオの黒い瞳
どこか切なく潤んだルナの黒い瞳
どちらの瞳にも私は心を奪われて…
(イヤだ 私ったら…なに思ってるの)
今はルナだけ…ルナしかダメなの
浮かんだミサオの眩しい笑顔に首を振った
(もう いい思い出…心揺らさないで…)
駅に到着し降りしきる雨に
折りたたみ傘を取り出した
バックを開いた時 ふと…思い出した
あっそうだ ギターピック
バックの中を慌てて確認した
(ホッ…あった 急がなきゃ…)
あの曲をこのピックで弾くから持って来てとの
トオルの言葉を思い出し雨の中小走りに急いだ
開演まであと5分と時間が迫っていた…
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