INDEX
【〜〜誘いのcall〜】
…コール音が鳴り響く携帯電話
(トオルから…何だろう?)
液晶画面を見つめたままの私を怪訝な顔で亜紀子が指摘する
『エミ〜 電話出ないの?』
『う、うん・・・家からだから・・・』
躊躇ってるうちにコール音が切れた
『どうせ お説教の電話だと思うから・・・帰って聞くわ(苦笑)』
『お説教って?』
『う、うん 外泊しちゃったからね(苦笑)』
『ねぇ〜エミ ホントに悩み事あるなら教えてよ〜! 親友でしょ・・・ネっ(笑)』
『亜紀子にはなんでも 話してるってば〜』
(・・・まったく 亜紀子の知りたがり(苦笑))
『ねっ そうだ ねぇ・・・聞いてくれる シンジがさ〜・・・』
亜紀子のお惚気話聞いてる時 メールを知らせる着音が鳴った
それはトオルからのメールだった
―エミさんへ―
さっき電話したんだけど エミさんの声聞けなくて・・・残念(苦笑) スタジオに練習いく途中で 車でエミさんの会社の近く通ったんだ 時計見て退社時間かなって思ってね
もし、まだ電車乗ってなかったら 一緒にスタジオ 行って 【BLUE MOONの瞳】聞いてもらおうかなって 思ったんだけどね・・・残念だった^^;
ライブの日 あのギターピックもって来てね
待ってるからね エミさん
―トオル―
『あっそうだ〜』
携帯を閉じる私の表情を窺っていた亜紀子が何か思い出した様子 バックから手帳を取り出すとページを捲り指を止めた
『ねぇ トオルくんのライブ 土曜日だよ〜行くでしょ エミ?』
『う、うん 行かなきゃね』
『そうだよね よかった〜』
行くという返事になぜか安心した笑みを浮べた亜紀子だった
メール着信音がもう一度響いた 今度はルナからのメールだった
―エミィ―
エミィ…会社で居眠りしなかった(苦笑)? 今週の土日はまた仕事の予定はいっちゃったよ
昨夜は来てくれてありがとうね エミィ 朝まで一緒に過せて嬉しかった…
じゃあね 今夜はお互い早く寝ようね^^
―ルナ―
(ルナ よかった…)
メールのルナの文字がさっきの不安をやわらげてくれた
――トオルのライブ当日
朝から曇り空 午後からは雨予報だった 折りたたみの傘をバックにいれて家を出た
亜紀子とシンジとは現地で待ち合わせしていた
メインターミナル駅の構内 通勤で乗る線とは別のホームに向かい歩いていた時
不意に 後ろから肩を叩かれた…
『エミさん…』
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