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【IN THE RAIN 】
ドアが開いて外に出たとたん
雨の音 街の騒音など入混じりボリュームを上げたラジオのように耳に響く
交差点を見渡すが ルナらしき姿はみあたらない
そうだ・・・地下街 目の前の地下街に通じる階段を急いでかけ降りる
・・・あ、いた
すぐ先を歩くショートの黒髪にストライプのシャツの背中が見えた
「ルナさん・・・」「ルナさん・・・待って」
ルナは二度目の声で気づき振り返る
「エミさん?・・・どうしたの?」
「あの、傘持っていますか?もしよかったらこれ使ってください」
バックから取り出した傘をルナに差し出した
「いいのよ、だってエミさんも傘いるでしょう?」
《そっか そういえばたしかに駅から家まで傘がなくては困る
私ったら・・・今は・・・ルナの事しか・・・・考えていなかった・・・^^;》
「私、この地下街を抜けた先のビルに用があるの・・
すぐだから大丈夫よ、帰りはそこで傘借りて帰るから。」
傘を持つ私の手にルナは触れてそういった
触れた温もりを感じながら 少しでも一緒にいたいと思った
「そこまでご一緒させてください・・・」
ルナが傘を持ってさし掛けてくれた
相合傘で20メートル程先のビルを目指して歩く
程なくビルの前に着いて触れ合っていた肩は
傘から離れた
「ありがとう・・・エミさん」
「勝手についてきちゃってすいませんでした」
ルナは笑みを浮かべ首を左右に振った。
傘を持ち替えて歩道に出ようとする私をルナが呼び止め
私の肩にそっと触れた
「肩 ぬれちゃったね 冷たいでしょう・・・ごめんなさいね」
「いいえ・・大丈夫です」
そう言って俯いた時 伝うものを感じた
傘から跳ねた雨粒だろう・・・頬を伝い首筋に流れる滴
その滴をルナは指先で拭ってくれた
切なさが胸に込み上げてくる・・・
「じゃあ 連絡まってるね」ルナは潤んだ瞳でもう一度私を見つめた
《お願い・・・見つめないで・・・私 このまま動けなくなりそう・・・》
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