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EHOM
 Runa&Emi(ルナ&エミ


 INDEX

                          【11桁の数字 】
                            



ルナは文庫本から【栞】を抜きペンを取り出すと
しおりの裏にサラサラと11桁の数字を書いて私に渡した


「本のお話の続きがしたいですね また会いませんか?」


私はこれは夢じゃないかと思った・・・
絡んだ瞳の数秒の出逢い 一瞬に心の奪われ 逢いたいと願う度現れるその瞳 
そしてこんなに早く展開していくなんて まるでドラマの中にいるみたい

次のシナリオを私は頭に描いた・・・


「あの、本当にお電話してもいいんですか?」


私は動揺していてとんちんかんなことを訊いていた


「いつでもどうぞ(笑)」


ルナは席を立つと
ガラス越しのドシャブリの雨の街を曇った表情で見た


「じゃあ お先に失礼します 雨ひどいからエミさん気をつけてね」


「はい ルナさんも気をつけてくださいね」
《今度こそ・・いってしまうんだ でも、携帯番号GETできたし・・・(嬉)》


私は、もらった【栞】に書かれた11桁数字をなぞった


出口に向かうルナの姿をずっと目で見送っていた
自動ドアの外へその姿が消えたとたん 私はハッとした・・・。


たしかあの人(ルナ)傘もっていなかったはず・・・


(降り出した雨の中 傘の間を避けながら足早に歩道を渡っていた光景を思い出した)


私は弾かれたように席を立ち
慌ててカフェを出てルナのあとを追った・・・