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Runa&Emi(ルナ&エミ


 INDEX

                  【〜それぞれの愛〜リツコとルナ〜5〜】

                            


リツコはルナの解く手を拒む


「・・・いやよ ルナ」


窓に映るふたりの影が揺れていた


しばらくこのままでいさせて・・・
背中で哀願するリツコにルナは観念した


「ねぇ 今 部屋に私がいること エミさんは知ってるの?」


「ううん 知らない・・・」


「そう・・・」


リツコの声が背中で響くたびに甘い香りが漂う



「思い出してたの・・・私がコウジを追いかけてニューヨークに行ったときね
心のどこかで・・・ルナが私を追ってきてくれないかなって思ってたの・・・」


首筋にリツコの熱い息がかかる






・・・・3年前の春



リツコにはコウジと言う恋人がいた


「ねぇ ルナ コウジったらね いまだに私に触れてくれないのよね
軽いキスくらいしかしてくれないのよ もう半年も付き合ってるのにさ・・・どう思う?」


「ふ〜ん いいじゃん いまどき貴重な純情男じゃないの(笑)」


そんなリツコの相談に笑って答えながら
もしかしたらコウジは・・・かもしれないなと思っていた



「彼がね ニューヨーク支店に転勤になったの
ちゃんと答えを聞きたいから・・・私 行ってくるね ルナ」



あの日 引き止める私の理由も聞きもしないで
コウジを追ってニューヨークに旅立ったリツコ


それから3日後 泣きながらリツコは帰国した


「ルナ〜 ショック〜(泣)彼ね ゲイだったのよ・・・!」


「リツコ ごめんっていいながら 私の前でハーフの美少年を抱きしめたのよ ふざけてるよね(怒) 
そんなの早く言ってよ バ○野郎〜って・・・側にあった椅子を蹴っ飛ばして帰ってきたの・・・」


「お〜お〜それは威勢のいいお姉さんだこと(笑) 
椅子を蹴飛ばす元気があったなら もう だいじょうぶよね?リッコ(苦笑)」


首を振りながらルナに抱きつくリツコ


「全然 大丈夫じゃない とても悲しい(涙)泣きたいの・・・泣かせて ルナ」


そう言ってルナの胸で泣きじゃくったリツコ



ルナは目を閉じて回想していた



3年前のふたりはそれぞれ辛い恋をしていた


ルナは報われることない恋に溺れていた
その人は年上の人妻だった

リツコにカムアウトしたのは
その恋の始まりの頃だった

もう思い出したくない・・  
ルナは 心の中に 
浮んだその人の面影を振り払った




「・・・私も振られちゃったとルナから聞いた時 
なんだかホッとした自分がいたの おかしいよね 私・・・(苦笑)」


ともに恋に傷ついた二人だった


辛い気持を言葉で慰めあった

一番 心開けたのは 
ルナはリツコ
リツコはルナ 
学生の頃からずっと互いの笑顔をみて過してきた


・・・私達は、ずっと親友よ


心の癒しだけを求めたはずだった


・・・・なのにあの夜
リツコの大きな瞳からあふれる涙の誘惑に負けた


「ねぇ 抱いてルナ あの人にしたことを 同じように私にもして・・・」


リツコの涙を拭いながら
身体を重ねたあの夜


私はどうかしてたのかもしれない
ルナは胸が震えた 


一線を越えてしまったあの夜


お互いを夢中で貪りあいながら
ルナは 虚しさばかりが広がる自分を責めた


・・・矛盾してる 何してるの 私達


リツコはその日を境に
毎夜 ルナのベットに身体を滑らせてきた


「リッコ もうやめようこんな関係・・・」


あの夜 近づくリツコの裸身に
バスローブを羽織り そう告げた夜


あの夜限りで終った
ううん・・・終らせたふたりの関係だった





今、背中に密着しているリツコが放つ香りは
またもルナの心をかき乱す


まるで あの夜と同じシチュエーションだ


リツコの声が甘えたトーンになる


「ねぇ ルナ 抱いて・・・あの時みたいに・・・」