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Runa&Emi(ルナ&エミ


INDEX


                  PLAY BACK【Blue Moonの瞳 】

                            



「あ〜また、停められちゃった〜」


マユは後ろを歩く、友人達に悔しそうな顔で振りかえる


空車のタクシーが数メートル先に
ウインカーを点滅させて停車する


その停車したタクシーに
乗り込もうとする男女に視線を移し驚いた


(あれは・・トオルじゃない・・あの人(女性)はたしか・・・・エミさん)


トオルが、エミの肩を抱きタクシーに乗り込んだ


唖然と立ちつくすマユ


・・・あのふたり えっ、いったいどういうこと?


やがて マユはふっと笑みを浮かべ呟いた


(ルナ あなたの愛する彼女はなにしてるのかな・・・)


・・・あの人(エミ)も私と一緒じゃない フフッ


二人を乗せたタクシーが遠ざかる


「お〜い、マユなにしてんだ〜 タクシーきたよぉ〜」


「は〜い」マユは身を翻してグループの輪に戻る






自分に泳がない瞳を追い続けるトオル


肩先に感じるエミの微かな寝息


カクテルに酔わないで・・・
僕に酔ってほしいな・・・



動かない・・エミの唇をみつめる


 
頭の中で【Blue moonの瞳】
を何度もPLAY BACKするトオル



『エミさん もうじき着くよ・・・』



耳元で聞えた声で・・・目が覚めた


トオルの肩にのせた頭をゆっくり起こす
ぼやけたトオルの笑みが
はっきり映し出された時 気づいた


そうだ・・・BARを出て二人でタクシーに乗ったんだ


『ごめんなさい わたしったら・・・(赤面)』


『いいよ〜エミさん 僕の肩でいいなら喜んで・・・(笑)』


車内の狭い空間で
トオルに密着した身体を少しずらす
まだ酔いが残る火照る頬を手で覆った


車が停まりドアが開き 外の空気が流れ込む


『遅くまでつき合わせて ごめんね エミさん・・・』


『ありがとう トオルさん・・・』


『あっ、ちょっとまってエミさん』


車を降りようとする 私をトオルがひき止める


『これ、持っててほしいんだ』 


トオルが差し出したのは、ギターのピックだった


『いつもエミさんの曲を弾く時使ってるんだ・・・』


『えっ でも・・・』


『ライブの時に持ってきてほしい・・・』


トオルは潤んだ瞳で見つめ・・・
私の手のひらにギターピックをのせた