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Runa&Emi(ルナ&エミ


INDEX


                     【Blue Moonの瞳 〜2〜】  

                            


信号で止まり 
シンジが携帯を取り出し、発信ボタンを押した


『う〜ん 演奏中かな?』


コール音が、雑音に変わり電話の相手の声が交じる


『あっ、トオル タイミングよかったよ・・・。』


『今から、素敵なLADYを送り届けるからさ〜。彼女のこと
 責任もって帰り家まで送ること。もし、送り狼なんかに
 になったらオレが許さないからな〜(笑)じゃあな〜』


電話を切ると同時に信号が青になった
シンジの言葉に隣で亜紀子が笑い、私を振り返る


『あの〜、シンジさん まだ行くって、私言ってないんだけど・・・(困惑)』


『エミ いいじゃない〜、顔だけ見せてあげなさいよ〜♪』


シンジの代わりに、亜紀子が答えた


『亜紀子 そういえば、トオルさんが私に直々に話したいことあるって
言ってたね?』


『だっから〜それは〜(笑)エミに、直々に会いたいってことでしょう〜』


運転席のシンジが、ハンドルを切り返しながら大きく頷く


(ふたりは性格似てる(苦笑)まったく・・・おせっかいなんだから)




スタジオの入り口でトオルは待っていた・・・


私の姿を捉え トオルが手を振りながら駆け寄ってきた


『エミさん〜♪』


『おひさしぶりです トオルさん・・・』
『あの・・・昨日のメールの返事 まだで、ごめんなさい・・・』


長身のトオルが、私を見下ろし微笑む


『そんなの気にしなくていいよ〜 エミさん、来てくれてありがとう・・・』


閉まったスタジオの扉に視線を移す私に、トオルは頭をかいた


『実は、シンジが電話くれたとき、丁度 練習終ったとこだったんだ』


『終ったって言ったら、きっと・・・素敵なLADYは来てくれない(苦笑)
そう思ったから・・・待ってるって言ったんだ ごめんね エミさん』


トオルが、熱い瞳で私を見つめる・・・


『あ、あの 他のメンバーの方たちは?』


扉の奥を窺がったが、静かで人の気配は感じない


『うん・・・もう、みんな帰ったんだ ねっ エミさん少し飲みに行かない?』


トオルは、さらりと私を誘った
時計を見た・・・午後9時を回っていた


ルナの顔が浮んだ
明日の土曜日も仕事だといっていた
鳴らない携帯が・・・ルナの代わりに会えないと告げていた


『じゃあ・・・、ほんとに少しだけ』


(マユがどんなことを話したのか、ちゃんと訊いてみたい)


ビルの外にトオルと出た 今夜はなぜか夜風が冷たく感じた


『あの、トオルさん 車・・・じゃないですよね?』


『ううん、タクシーで行こう・・・
 あ、もしかして心配してる?送り狼にならないかとか・・・(苦笑)』


私は下を向き、小さく首を振った・・・