INDEX
【Blue Moonの瞳〜1〜 】
『エミー 早くぅ〜シンジが会社の前に着いたって』
携帯片手に亜紀子が、私を急かす
―金曜の退社時間
会社近くに仕事で来たシンジが車で、亜紀子を迎えにきたらしい
私も一緒に駅まで送ってくれるという
『いいよ〜亜紀子 私、駅まで歩くから・・・』
『何言ってんの〜エミ 乗っていけばいいじゃん 早く早く〜』
『ハイ ハイ〜(苦笑)』
亜紀子に、急かされ廊下を早足で歩き
タイミングよく着いたエレベーターに駆け込んだ
車に、亜紀子と乗り込む
シンジが仕事の打合わせも終わり
今日は、直帰だから一緒に夕飯を食べようと私を誘った
『わたし、お邪魔じゃない?亜紀子』
『何 言ってんのよエミ 邪魔なら誘わないよ〜(笑)』
亜紀子が、お薦めのイタリアンの店に向かった
バックの中の・・・鳴らない携帯を何度も確かめる
食事をしながら・・・ルナを思った
(ルナは、仕事でまだ忙しくしてるんだろうな・・)
ゴールインが近い亜紀子とシンジ
二人の幸せそうな予定を聞きながら2時間弱過した
食事を終えて帰る車の中
『ねぇ、シンジ トオルくんのライブっていつだっけ?』
助手席の亜紀子が、運転するシンジに問う
『え〜と、来週いや再来週の土曜かな?』
シンジが首を捻った
『19日の土曜日だったよ・・・』
私が、後部座席から亜紀子に答えた
『トオルくんから、連絡きたんだ〜エミ♪』
なぜか嬉しそうな声で後ろを振り向く亜紀子
昨夜、トオルから長いメールが届いた
そのメールに気になることが書いてた
―エミさんへ
久しぶり エミさん♪
19日の土曜日 ライブするんだ
他のバンドと一緒だからね
今回、僕達は3曲演奏するだけだけどね(苦笑)
エミさん、是非見に来てね
・・・・(省略)
そういえば、マユとこの前会ったんだけどさ
エミさんに会ったって言ってたよ・・・
また、カクテル一緒に飲みたいな・・エミさん
誘ってもいいかな?
―トオル―
返答のメールはまだしていない
マユがトオルに会った
あの日の事をトオルに話したのだろうか?
会ったしか、書いていないので詳細はわからない
少し、気になった・・・それは、マユのこと
ルナに会いにきて、トオルにも会いに?いった
いったい、マユはどんな気持で元恋人?のもとに
平気で現れるのだろうか・・・
スクランブル交差点の信号のメロディーが聴こえた
信号待ちのシンジが、ハンドルから手を離し伸びをした
『そーいえば、トオル 今夜、スタジオで練習するっていってたなぁ〜』
『エミさん、見に行く?ここからならすぐだし・・・送っていこうか?』
シンジが、バックミラーで私を窺い
亜紀子がふりむく
『見に行ってあげなさいよエミー トオルくんエミに会いたがってたわよ〜♪』
返事に迷う私がいた
別にトオルに会いたいわけじゃない
どうしてだろう?
なにかを、確かめたい自分がいた
(そのなにかは・・・マユの事、ルナの事しかない)
トオルからのメールをもう一度開いた
追伸:
そうそう、もう1曲書いたんだよ エミさん♪
題名【Blue
Moonの瞳 】聴いてほしいな・・・
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