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Runa&Emi(ルナ&エミ


 INDEX

                      【“本気の恋”】

                            

『今の人、彼女なんでしょう?私のせいね・・・』


マユが、苦笑した


二つ隣の住人が、ドアから顔を覗かせこちらを見た


『マユ、ちょっと部屋に入って話そう・・・』


テーブルに、灰皿を置き煙草に火をつけるまでルナは無言だった


『ルナ、私も1本頂戴〜♪』


『どうぞ』


無造作に煙草ケースをマユの方に向けた


マユの吐く煙を見つめながらルナは訊いた


『マユ、友達んとこ泊まったっていってたけど 男?女?』


『うん、男・・・』


『やっぱりね』


『で、でもね、そういう関係じゃないの、ただ、泊めてもらっただけだから』


『別に言い訳しなくていいよ・・・、私には関係ないことだしね』


『つめたいな〜、ルナったら〜』


マユは灰を落としながら少し不満そうな顔をした


『ねぇ、マユ・・・。もういい年なんだから いい加減に落ち着きなよ・・・』


テーブルの上の、ふたつのワイングラスをみつめ
マユは、視線を落す


『さっきの女性(ひと)エミさんていうんだ・・・キレイな人だったね・・・』



『本気の恋をしなきゃ・・・マユ・・・』


『ルナは、してるの?』


昨夜、エミが飲んだグラスに手をのばし
少し残る赤ワインを揺らした


『してる・・・。今までで、一番 本気の恋・・・』


マユが、もう一本煙草を取り出し火をつける


『愛してるのね 彼女の事・・・』



ルナはワイングラスを見つめた



『うん・・・、とっても愛してる』



部屋の中を見回しベットで視線がとまる


煙草を持ったままマユは天井を見つめた


『わかった、もうこない〜(苦笑)』


マユは持った煙草を吸わずに灰皿でもみ消すと・・・立ち上がった


玄関で靴を履くマユに、思い出したようにルナが訊いた


『ねっ マユ・・・、バンドで一緒だった彼いたでしょう?』


『トオル?』


『そう、その彼(トオル)とエミィが知り合いみたいなの・・・』



ルナがマユに、こぼした言葉が
また、ひと騒動起きることになるとは・・・