INDEX
【“交錯する思い”】
扉が開き、マユはエレベーターに乗り込んだ
『ルナ ごめんね〜。彼女とちゃんと仲直りしてね』
『うん、マユ あんまり飲んじゃだめだよ〜』
『は〜い(苦笑)』
マユは、閉まる扉の向こうで、手を振った
マンションの外に出てマユは、駅へと歩いた
途中、よろけた拍子に片方の靴が脱げた・・・
溜息をつき、 靴を履きなおしながら ふと、ルナとの会話を思い出した
『え、トオルとエミさんが知り合いなの?』
『エミの友達の彼と友達らしい・・・。BARで偶然会っちゃってびっくりしたよ』
『ふ〜ん、・・・で、トオルと話したの?』
『ううん〜、お互い涼しい顔して通り過ぎた(苦笑)』
『そうなんだ〜、でも奇遇ね』
『もしかして、トオルがエミさん口説いてたりとか?』
『そうね、してたかもね・・・(苦笑)』
マユの頭の中・・・ルナとエミの幸せそうな笑顔がよぎった
(わたしだって・・・、愛されたいわよ・・・)
マユは、そう呟くと携帯を開き 番号を探し発信ボタンを押した
6回目のコールで出た相手はトオルだった
『あ、もしもし トオル?久しぶりね〜♪マユです』
『あのさ〜、トオル・・・』
――エミは、乗り換えの電車をホームで待っていた
間もなく電車が到着すると、アナウンスが響いている
帰りたくない・・・
色んな思いが、交錯していた
・・・マユは帰ったのだろうか?
・・・何故、出てきちゃったんだろう
・・・待っていればよかったのに
携帯が、着信を知らせていた
ルナからのメールだった・・・
―エミィ
昨夜 誰かさんのせいで
溶けて・・・食べ損ねた・・・
アイス 食べたいよ〜♪
ルナったら・・・(涙)
丁度、電車がホームに入ってきた
その電車を見送り
反対側のホームに向かった・・・
← →
|
|
|
|