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【Hold me〜1〜】
・・・・土曜日
電車を乗り継ぎ 海が見えるデートスポットにルナときていた
腕を組んだり、手を繋いだりの男女のカップルが通り過ぎていく
そんな光景が羨ましくて時々、隣のルナの横顔を見つめる・・・
陽が沈み、星が散らばりはじめる頃までの数時間・・・
遊歩道を歩き、ベンチで他愛のない話をしながら海を眺めていた
『エミィ そろそろ行こっか・・・、次のリクエストはどこ?(笑)』
『人目気にせずに、ルナにくっつける場所(赤面)』
(私ったら なんて大胆なこといってるんだろ・・・)
『う〜ん じゃあ、うちに来る?掃除してきたし(笑)』
駅を降りて数分歩くと、ルナはコンビニの前で立ち止り
すぐ先の白い建物を指差した
『あの マンションなの
ねっ〜、エミィー ちょっとコンビ二に寄っていこ〜』
店内の有線から流れる・・・懐かしいJ-POP
〜Hold me 抱いて・・・いてね〜♪
次にかかったのが
〜抱いてくれたらいいのに〜♪
そんな曲の特集なのか・・しかし懐かしい
・・それに、ちょっと刺激(うふっ)
雑誌をめくる私の隣でルナの声がした
『エミィー、アイス買ったよ 行こう〜』
店を出て歩きながら、
さっき流れてた歌を口ずさんでみた 〜Hold me〜・・・♪
『エミィ〜ったら、歌いたいの?カラオケいく?(笑)』
『ううん・・・、歌じゃなくて・・・』
『そ〜ね カラオケの採点で100点取ったら 抱いてあげる(笑)』
『そんなの無理よ・・・、一生抱いてもらえない(苦笑)』
もうマンションの前にきてた
ルナの部屋のドアにつくまで、ふたりは無言だった・・・。
『ここなの、これちょっと持ってて・・・エミィ〜』
ルナが、コンビニの袋を私に渡す
鍵を閉め、部屋の灯りをオンにするルナの背中に訊いた
『ねぇ 何点だったら、抱いてくれるの?』
(私ったら、玄関でなに言ってるんだろう・・・)
振り向いたルナは、潤んだ瞳で顔を近づけた・・・
『ここでは、採点できない・・・エミィ(苦笑)』
そう言いながら・・・ルナは、私の髪をやさしく撫でると
頬から顎のラインを指先でなぞり滑らす
その指先に・・・伝わるくらい・・・胸の鼓動が鳴っていた
ルナの指先が唇でとまると・・・ゆっくり自分の唇を重ねた
全身の力が・・・一瞬・・・抜けていくようだった
はなれるルナの唇に小さく呟く《なんだか・・・恥かしい・・・》
部屋の灯りをルナはオフした
闇の中で、熱い吐息が絡み合う・・・
夢中で、はなれた互いの唇を・・・もう一度探りあっていた
ルナの背中に腕をまわしたとき、コンビ二の袋が床に落ちた・・・
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