INDEX
【“一緒にいたい”】
トオルの腕から逃げ、ルナの傘の中で泣いた夜
『エミィ どうしたの?なにがあったの?』
『う、うん ちょっと会社で嫌なことあって、家に帰りたくなくて
ひとり・・・彷徨ってたの・・・心細くて寂しくて
ルナの声 聴いたらなんだか泣けてきちゃって・・・』
トオルのことも、訊きたい“マユ”のことは言えずにいた。
―あれから、ルナとは何回かデートした・・・。
お互いの気持も確認しあって、セクシャリティの話もした。
休日も駆りだされる程の仕事を抱えていたルナは
忙しいなか、私と会う時間をつくってくれた
ルナといると、時計の針が何倍もはやく動くように感じる
もっと一緒にいたい・・・会うたびに別れが辛くなった
―あれから、トオルからメールが、何度かきていた
ライブを予定してて、あの曲を流す予定だとか・・・
代わりのキーボード奏者が決まったとかの内容だった。
あれ以来・・トオルは、自粛してるのか(苦笑)
私に、誘いをかけてはこなかった・・・。
トオルの元カノでルナの友達?だという・・・
“マユ”という女性の存在は、ずっと気になっていた
知りたいのは山々・・・だけど反面、訊いてもしょうがない
知れば、嫉妬で毎夜眠れなくなるだけだろう(苦笑)
訊きたくない・・でも・・・知りたいと心の中で葛藤を繰り返していた
ルナに会う度に、喉まで出かかってる言葉を呑み込んでいた
今、ルナは私といてくれる・・・だからいいじゃない・・・。
終った恋だとしたら それでいいじゃない・・・うん・・・。
だが、そんなマユのことを、後にある場面に遭遇し
目の当たりで、真実を知ることになるのだった・・・。
―7月になり すっかり夏も本番
週末近いもある日 カフェにルナと私はいた・・・。
『ねぇ エミィ 土日やっと休めそうなの〜
どっかいきたいとこある?』
『う〜ん、じゃあ 海がいいな〜♪
昼間は人が多いから・・・、夜の海をルナと眺めるだけでもいいな〜』
『泳がないの?』
『泳げないもん(笑)』
『やっぱり・・そうだと思った(笑)』
笑うルナの潤んだ瞳に心身ともに疼く私がいた
・・・まだ、私たちは軽いハグ程度の触れあいしかしていなかった
手を繋いだり・・・絡めたりは幾度もあった
今まで・・・会える時間が短かったせいもあるだろう
でも、口づけさえ求めない・・・ルナに少し焦れてる私がいた
・・・かといって自分から・・・っていうのも引ける
・・・ヤダ・・私ったら、何考えてるんだろう(赤面)
『エミィー、どうしたの?なんか赤くなってる(微笑)』
そういって私の頬に触れたルナ
『ねぇ、ルナ 今度の休みは一日ずっと一緒にいたいの』
『いいよ・・・』
ルナの重ねる手が熱く感じた・・・
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