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【“やさしく Hug”】
・・・ルナの声に思わず・・・涙があふれた
『エミ、早速 エミィって呼んじゃった♪』
電話の向こうのルナは明るい声で話しかける
『・・・・』
『エミィどうしたの?聞えてる?』
涙で声が出ず返事をしない私にルナが問いかける
『あれ、切れてないよね』
『・・・ルナさん・・・』
かすれた声で返事をする私に、ルナの声が変わった
『もしかして 泣いてるの?』
『エミィー いまどこにいるの・・・?』
トオルが追ってこないか ふりかえりながら路地に入り
閉まってる酒屋の軒先に立って雨やどりした・・・。
ルナに この場所の最寄り駅を言った
『そこの駅なら、今いる駅からすぐだから・・そっちにいくから待ってて・・・』
トオルからコールが何度か鳴っていた
今は話したくない・・・出ずにいたら・・・メールが来た
―エミさん―
さっきは 本当にごめんm(__)m
衝動を抑えられなかった
でも、誤解しないでほしいんだ
ただ 抱きしめたいだけだった・・・。
さっきも言ったけど、僕は真剣なんだ
もう、絶対しない だから許してほしい
それより、無事に帰ったの?
電話も出ないし心配してるんだ・・・
―トオル―
心配しないで 大丈夫・・・。とメールを返した
雨が降り続ける大通りに出て
ルナの姿を探した・・・
煙る視界に傘を持つルナの姿が見えた・・・。
『エミィー・・・』
ルナも私に気づき 足早に向かってくる
そして・・・傘を差しかけた
ルナの顔を見ると、また涙が溢れてきた・・・
『こんなにぬれちゃって・・・風邪引いちゃうじゃない・・・』
ルナは、ぬれた肩や髪を取り出したハンカチで拭いてくれた・・・。
『ほら・・目から雨も降ってるし・・(苦笑)』指先で涙を拭うルナ
私は、その指先を握り締めて ルナの肩にそっと頭をのせた・・・。
『ルナ・・・ありがとう・・・』
そんな私を、傘の中・・・ルナは“やさしくHug”してくれた・・・
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