RUNA&EMI(ルナ&エミ)〜Part T〜





















第1章


〜出逢い〜1

ルナと出逢ったのは…


あれは忘れもしない・・・
3年前の6月の雨の午後だった


メールの着信音で起こされた土曜の朝・・・


会社の同僚の亜紀子からだった


「おはよう〜エミ♪ 今日さ〜買い物に付き合ってくれない?ちょっと聞いて欲しいこともあるの あいてる?」


ここんとこ残業続きで疲れてた 私はまだ眠りたいモードだった

しかし・・・断れない性分の私


「うん、いいよ・・・じゃあ11時にね」


【送信完了】の文字を見ながら 瞼が再び自然に重くなってくる


…あ〜やっぱ眠い・・・断ればよかったかも 溜息つきながら洗面に向かう


ラジオの天気予報では午後から雨だという・・・


折りたたみの傘をバックにいれて
曇り空の街に出かけた







待ち合わせの時間に早めに着いた私は、改札を出ると
繋がっている地下街のショッピングモールの本屋に入った


ほんの時間つぶし・・・何を見るでも 買うでも目的はなく索引別に
並んでる文庫本コーナーを歩く・・・。


お気に入りの女性作家の文庫が並ぶ棚の前で足が止まる


《まだ、新刊出てないね・・・、あ、これ読んだかな?》


その気になる題名の本に手をのばしたとき 同時に伸びる誰かの手に触れた

はっとして 慌てて手を引っ込めた・・・


「あ、すみません」


「いえ・・・こちらこそ すみません」


すぐ隣に立つスレンダーな女性と目が合った・・・。


バツの悪い 笑みで互い同時に頭を下げた


それはほんの数秒の出来事だった。


目が合った その人の黒い瞳に不思議ななにかを感じた

一瞬にして心を捉えられてしまったような なにかが・・・
(なんだろう これって・・)


♪〜

そのとき手に持っていた携帯が鳴った・・・
私は慌てて本屋の出た


「エミ〜 着いたよ どこ?」


亜紀子からだった・・・


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