Runa&Emi(ルナ&エミ)partV


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 I meet you again】


                            


駅のホームに降りすぐミサオにcallした


3度目のcall音が弾んだハスキーボイスにかわった


『遅くにゴメンネ エミ〜!
わたしったら思い立ったらすぐ行動に移しちゃうんだよね(苦笑)』


『ところでエミ こんな時間に電車に乗ってたなんて お出かけだったんだ?』


『ええ…ちょうど今 帰るとこだったんです』


『はは〜ん さてはデートの帰りだな〜(笑)いいな〜 ねっあのとき話してた 彼女〜♪』



『…はい そうなんだけど…』



答える声が消えそうに小さくなっていく



『どうしたの〜エミ〜? なんだか元気ないぞ〜!』



そうよ…元気なわけないわ


ミサオは続けた


『あのね〜思い立ってエミに電話したのはね 近いうち会えないかな〜って思って
え〜と 早速だけど明後日の夜なんかどう?』


『…明後日 ええ 私は大丈夫ですよ』


そうだった…
トオルのライブに急いでたあの日
途中 思いがけないミサオとの再会をした
そのとき携帯の番号を交換しまたゆっくり会おうと約束していたのだった


『ねぇ エミ〜 いまから家に帰るんだよね?』


『…ええ…』


『実は今、寂しくひとり飲んでるだ〜 ねっ エミ 一緒に飲まない?』


『えっ…』


『あはっ 私ったら〜こんな時間に何誘ってるんだろ ごめ〜ん! ちょっと酔ってるかも 許されたし(苦笑)』

 
ハスキーボイスが懐かしく耳に響く


その声に私はミサオにとても会いたい衝動に駆られた


それに…今夜は帰りたくなかった


…迷わず返事をした


『ミサオさん 私も…とても飲みたい気分なの…』







―今夜の月は霞んでいた

〜I meet you again〜

孤独な二つのハートの隙間に流れる酔い水

今夜は貴女に逢いたいと誘う…






その頃ルナは…着信履歴の相手を確認して
CALL BACKしていた


『もしもし…もしもし…』


繋がっているはずなのに声は聞えない


電話の向こうでは
談笑する声や賑やかな音が飛び交っていた


『もしもし〜』


『マユ?』


『あ〜ルナ かけくれたんだ〜♪』


『なんだか賑やかね…。もしかして また飲んでる?』


『正解〜♪飲んでまぁす』


…きっとマユは酔ってるんだろう


『はぁ〜(溜息)…で…用件はなんなのマユ?』


『……』


『えっなに?…聞えないわ〜』


周りの雑音に掻き消されてマユの声がよく聞えなかった


ルナは声のトーンをあげた


『マユ…お酒に呑まれないようにって 何度も忠告したよね 
私が言ったこと何も守れていないね…』


『え、守れてないって何を?』


マユの耳には届いていないようだった


時計はまもなく午前零時を示しそうとしていた


『マユ また、終電に乗り遅れて誰かの部屋に泊めてもらう気?』


『……』


『酔っ払いの相手してるほど…暇じゃないから 切るね』


携帯のボタンを押しかけた時


『待って…切らないでルナ…』


鮮明にマユの声が聞えた


どうやら…賑やかな場所から移動した様子だった


『何?』


『エミさんに謝っておいてほしいの わたしが……』


そのとき…電話の向こうでマユを呼ぶオトコの声が聞えた


“お〜いマユ 今夜は泊まるんだろ?そろそろ帰ろうか〜”


たぶん受話器を手で塞いだのだろう
その声に返答するマユの声は聞えなかった


『ルナ…ごめんね じゃあ切るね』


『ちょっと待ってマユ!』


ルナは、強い口調で告げた


『そのオトコのところへ泊まるならうちにおいで!』