TYPE IRuna&Emi(ルナ&エミpartV


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 【Magic of the love

                           


店のドアを開いたと同時に
午前零時を告げる時計の音が響いた


いらっしゃいませ〜♪


『あっ エミ〜♪ こっちよ〜』


店のオーナーの声に続きハスキーな声が響いた


奥のカウンターから手招きするミサオの顔が見えた



…電話を切って15分後に
私はミサオのいるBARに辿り着いていた



偶然にもこのBAR 降りたターミナル駅のすぐ近くだったのだ



隣に座る私を眩しく見つめながらミサオは微笑んだ


『エミ〜ほんとに来てくれたのね〜♪ 午前零時の鐘とともにやってきた 私のシンデレラさん(笑)』


私は店内の壁時計を見上げた



『午前零時…ほんとですね もうすっかり魔法もとけました(苦笑)』



『あはは そっか〜とけたのは彼女のかけた魔法だな(笑) じゃあ 今度はわたしがかけるからね』



ミサオは意味深に笑いグラスを揺らしながら私を見つめた


私は思わず自分の頬を両手で覆った


まだお酒も入っていないのに…私の頬はなぜか熱く紅潮していた




…それにしてもこんなシチュエーション
彼女とケンカして家に帰りたくない夜に
タイミングよく昔の恋人から誘われてって…まるでドラマね…(苦笑)


私はドリンクメニューを開いたままボーっとそんなことを考えていた


『ねっ エミ〜 何飲むの 決まった?』


ミサオの声にハッとした


『あ…じゃあ あのカシスソーダで…』

 




『あ〜あ〜もう〜』


トイレに立ったミサオが戻ってくるなり
テーブルに突っ伏した


『えっ ミサオさん?大丈夫ですか〜酔って気分でも悪いの?』


『大丈夫よ〜 これくらいのお酒で私がダウンするわけないのエミも知ってるでしょう(苦笑)』


顔を上げて頬杖をつき余裕の笑みを浮かべた


そうだった
ミサオは酒豪だったんだ



『やっぱあの時 エミも一緒にロスに連れて行けばよかったかな〜』



『えっ…』



『ねっ エミ〜 今夜かけてもいい? 〜Magic of the love〜』



私の頬にミサオが指先で触れた