TYPE HRuna&Emi(ルナ&エミ)partV
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                    【〜believe in love〜5〜

 

                           

いつものようにルナの部屋で過ごす週末の夜


窓に月が見える頃に
今夜もそろそろ、帰らなきゃ…と交わすさよならのkiss


「ねぇ ルナ…」


『あのさ…、エミィ…』


離れた唇が…同時に動いて顔を見合わせた



「あ…何?…ルナから先に話して…」


『……』


ふたりの躊躇う瞳が交差する…


もう少し話そうかと…ルナが私の手を引く
ふたりでソファに座りなおした


テーブルに置かれたシガレットケースから
ルナは一本タバコをとりだす
スマートに火を点けるその指先を見詰めた


『エミィの話を先に聞かせて…』


ルナの瞳は窓の外の月を映していた



私がルナに言いたかったのは
ミチコから先日 聞いたリツコの恋人の噂だった

黙っていようと思ったが、私も気になったことだし 
一応ルナの耳に入れとかなきゃと思ったからだった



「ねぇ ルナ…、あれからリツコさんから連絡あった?」


『うん、メールがきたよ…どうして?』


「リツコさん…元気にしてるのかなって思ってね(苦笑)」


『巨大な街(ニューヨーク)に馴染むには大変ね
時間はかかるけど頑張るわって…書いてた
メールの文面からは 元気な様子だったよ』


ルナは、立ち上がり窓を少しあけた…


タバコの煙が窓の外に流れていく


『エミィが聞きたいのは…それだけ?』


「あのね…実は先週、ミチネエと会ったの…それでね…」


ミチコから訊いたことを、そのまま話すとルナは
一瞬 曇った表情をしたが、すぐにいつものクールな笑みを浮かべて答えた


『エミィはおせっかいだね 人の彼氏の噂話なんかどうでもいいじゃない(苦笑)
そんな彼でもリッコは愛してるんだからさ…。私達が心配することないよ』


今度は私が話す番だねと
ルナが手にしたタバコを灰皿にもみ消して…窓を閉めた



『本当は 今日 言うつもりじゃなかった…。まだ迷ってたからね』


「…何を迷ってたの?」


『随分 一人で考えてた…エミィにも意見を訊かなきゃとかね 
でもね いま…リッコの話を訊いて 自分の中ではっきり答えが出たよ』


「答え…?」


ルナが私の肩を抱きしめた


『それは…エミィと離れたくないってことよ』