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                    【〜believe in love〜3〜

 

                           

4月最後の週の木曜日…


リツコがニューヨークに出発する日
空港まで見送りにいってくるねとルナからメールがあった


私は、その頃 オフィスの窓から空を眺めていた


"ルナのことお願いね"…と潤んだ瞳で言ったリツコと
"今度の彼はゲイじゃないから安心したよ”と笑ったルナの寂しい瞳


今頃 二人はどんな会話をし別れを惜しんでるんだろうか


リツコの大きな瞳から毀れる涙をルナが拭ってる場面が浮かんだ

ねぇ ルナ…
ふたりの間には私の知らない何かがあるの…?

私は首を振った

ううん…二人は仲のいい大親友 それだけよ…



「ちょっと〜エミ 大丈夫?」


隣のデスクの同僚が肩を叩きパソコンの画面を指差した

ぼんやりしてて無意識にキーボードに指が触れてたのだろう
意味不明な文字が画面いっぱいに並んでいた…

「あ〜ほんとだわ〜、私ったら〜(苦笑)」






終業のベルとともに亜紀子が私のデスクに飛んできた


「ねっ エミ〜、帰り予定ある?」


『ううん 別にないけど どうしたの〜?』


「エミに渡したいものがあるんだ〜 ねっ 帰り、駅前のカフェにシフォンケーキ食べにいこう〜♪」


『OK いいわよ〜、その嬉しそうな顔はきっといい話ね』


「そう いい話だよん〜。 でもエミにとってはどうかな〜(笑)
さっ 早くいかなきゃ シフォンケーキ品切れになっちゃうよ〜」


せっかちな亜紀子は私の腕をとりロッカールームに引っ張っていく






向かいに座った亜紀子が、メニューを閉じて座りなおした


「エミにはね 郵送じゃなく 直々に渡したかったんだ〜 ハイ!」


なにやら白い封筒のようなものを両手で渡された



受取った白い封筒には金の箔押し寿シールが貼られていた
それは結婚式の招待状だった

日時 6月○日 土曜日
挙 式 午後12時より
披露宴 午後13時より

と書かれていた


「エミ〜 もちろん出席してくれるよね♪」


『あたりまえじゃない〜、亜紀子おめでとう(微笑)
そっか…2ヶ月後には亜紀子は奥さんになっちゃうんだね』


「やだ〜エミ 奥さんだなんて 照れちゃうよ〜」


幸せそうに笑う亜紀子を羨ましく思った
6月の花嫁〜ジューンブライド〜なんだ…


2ヶ月前は同僚のあゆみの披露宴に亜紀子と出席した


みんなどんどん結婚していくんだ…
寂しさじゃない 言い知れぬ虚しさが胸に広がった


私とルナはこれからどうなるのかなとふっと思った



勿論 いまだって十分 幸せ…
だけど、いま以上 二人を結ぶ絆ってなんだろう
ずっと一緒にいることは当たり前だけど
見えない未来…
それは…本当に叶うのだろうか
頭の中でいろんなことが過ぎった



シフォンケーキを口に運びながら亜紀子が私の顔を窺った


「どうしたの〜エミ? 急に黙り込んじゃってさ〜、もしかして焦ってる?(笑)」


『えっ…』


「大丈夫よ 次はエミ〜の番だよ 私の投げたブーケちゃんとキャッチしなさいよ〜♪」


『そ、そうだね…がんばってキャッチするわ・・・(苦笑)』


心の中で呟いた…
(そのブーケを受取ってもね わたしは結婚なんてできないのよ…亜紀子)