TYPE HTMRuna&Emi(ルナ&エミ)partV


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                     【〜believe in love〜2〜

 

                           
翌週の日曜の午後


ルナと向かったのは欧風レストラン
リツコとの待ち合わせの時間5分前に到着した


重いドアを押して入ると、すぐ目の前に立つ女性が振り向いた


リツコだった


「あっ…ルナ〜♪ グッドタイミングね 私もいま来たとこなのよ」


大きな瞳を輝かせリツコはひさしぶりねとルナの腕に腕を絡ませた
その何気ないスキンシップにふたりの長年の仲を垣間見た気がした


「…リツコさん お久しぶりです」


私の声にハッとしてリツコはルナの腕を離した


「あ、エミさん こんにちは〜(微笑)さっ…席に行きましょう」


先に歩き出したリツコの後ろで、そっとルナの手を握った
妬いてるの?とルナの瞳が笑っていた






席に着いてすぐにルナとリツコは互いの仕事の話を始めた
私はふたりの会話には入っていけなくて ただ、メニューを眺めていた


ルナがそんな私の様子に話題を変えた


『ねっ リッコ 彼はあとからくるの?』


「ううん 彼はこないわよ〜。一応 誘ったんだけどね 
どうやら女性ばっかりに、囲まれるのが苦手らしいわ(苦笑)」


『えっ 女性が苦手って ねえ リッコ その彼は大丈夫なの?(笑)』


「ルナったら〜、今度は大丈夫よ ご心配なく(笑)」


リツコと笑い合うルナが…まるで別人のように明るく感じた
どうしてそんな屈託のない笑顔が自然にできるの…

ルナの横顔を見詰めた
(私にはそんな顔 見せないよね…)


私の視線に気づかずにルナは二人の馴れ初めを訊いている
待ってましたとばかりにリツコはお惚気話を始めた


「彼はね 今まで出会った人のなかで一番私を愛してくれてるって感じた人なの」


『リッコは恋すると熱くなりすぎるから、心配よ 』


「あら よく言うわ ルナだってすぐ燃え上がっちゃうじゃない(笑)
私がよく知ってるわ だってあの人の時だって…」


リツコは…ハっと口を押えてルナに目で詫びた


きっと…あの人とはサオリのことだろう…
私は聞こえなかったふりをして料理を口に運んだ


もう何を聞いたって平気…
一番愛されてるって自信あるから…
ルナの愛を信じてるから…





食事をしながら他愛もない話を
3人でしながら時間は過ぎていった

ふと思い出したようにリツコがミチコの名前を出した

ミチコと私が従姉だということを訊き世の中狭いねと
言うと同じく仕事でミチコと関わったルナも大きく頷いた
(そういえば…最近 ミチネエに会ってないな…また連絡してみよう)




コース料理の締めくくりのデザートが運ばれた


季節のフルーツがトッピングされた
小さなケーキがお洒落な大皿のなかで品よく並んでいた


ケーキを食べ終わり…
リツコが向かいに座る私とルナを交互に見詰めた


「ねぇ ルナとエミさんは一緒に暮らさないの?」


私たちは思わず顔を見合わせた


それは…先週ルナと話し合ったばかりのことだった
桜の木の下で一緒に暮らそうと言ってくれたルナに私は首を縦に振れなかった

家を出ることができない
私の家庭事情があったからだった。

視線を落とす私の横でルナが笑って答えた


『勿論、近いうちに一緒に住むつもりでいるよ…』


「そっか〜、よかった 安心したわ! エミさん…私ね、ルナとこんな遠くに離れるのは初めてなの…」


リツコは大きな瞳を潤ませた


「ねぇ エミさん…ルナのことお願いね…」