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Runa&Emi(ルナ&エミpartV


INDEX


                   
   【Two this time】



                            


秋を感じる風が吹く 8月最後の週末
電車を降りるとすっかり日暮れ色に街が染まっていた


ルナのマンションに向かう私は自然に早足になっていた


途中にある あのコンビニ前で立ち止まった


《そうだ…ルナなにか欲しいものあるかな〜》



ルナにcallする



『もしもし ルナ〜♪ 今 着いたの コンビニで何か買っていこうか?』


『あっ エミィ ちょうどよかった〜! 煙草 買ってきてほしい あっ…それにお酒のアテもね〜♪』


『ハイハイ〜♪ 煙草はいつものメンソールね  えっと お酒のアテ?…うん 適当に買っていくね』


《うふっ ルナったら煙草とお酒のアテって…なんだかオヤジのおつかいみたいよ(苦笑)》


切れた携帯につぶやき コンビニのドアをくぐる




〜Hold me 抱いて〜♪


店内に流れる有線の音楽にふと耳を傾けた


《…あっ この曲》


あの夜と同じラブソングが流れていた


ルナの部屋ではじめて過した夜を思い出しちょっぴり顔が赤くなった



《う〜ん お酒のアテってどんなのがいいのかな?》


珍味が並ぶコーナーでしばし悩んでると 隣に立つおじさんがにっこり笑って話しかけてきた


『おねえさん 何飲むの? ビールだったら これとこれが合うな 美味しいよ〜』
『ん〜と もし焼酎だったら 絶対 これだな〜! 洋酒はわかんねえけどさ…』


おじさんは並ぶ珍味の中から2.3個手にとって私に差し出した


《きっと おじさんの好物なのだろう 珍味かぁルナには合わない気も…(苦笑)まっいいか美味しそうだし…》


『あ…ありがとうございます』


にっこり頷く…おじさんのおすすめ珍味をそのまま受け取りかごの中に入れた






ピンポ〜ン♪



鳴らすインターホンに応答はなく…すぐドアが開いた


『いらっしゃい…エミィ』


ルナの顔を見るのは2週間ぶりだった


たかが2週間 
なのに…なんだか随分会っていない気がした


玄関に入って
コンビニの袋を差し出すとルナはサンキュ〜と頬にkissをくれた


『ルナ…』


離れるルナの腕を引き…おもわず胸に顔を埋めた


『あはっ エミィ…どうしたの?』


『会いたかったの ルナ…』


目を閉じてルナの胸の温かさと柔らかさを感じていた


ルナが恋しかった

 
ルナのぬくもりが欲しかった



先週 トオルのライブに行った日

途中…ミサオとの思いがけない再会をしその懐かしい瞳に心が揺れた

ライブでエミさんに贈るよとLOVESONGを歌ったトオル

“エミさんの好きな人知ってるよ それでも好きなんだ”
トオルの熱い視線に戸惑った


私の心の中にいるのはルナだけ 誰もいらないの・・・ 
心が揺れないようにしっかりと抱きしめていてほしかった



包まれた腕の中で優しい声が響いた


『私も…エミィに会いたかった…』


互いの腕で互いを力強く抱きしめた…


ルナの手が動いた時 手に持つコンビニ袋が壁に擦れた


…あっ…

おもわず顔を見合わせた
アイスが溶けたあの夜を思い出し同時に苦笑い


『…アイスは買ってないよね?』


ルナの慌てる目に腕が緩んだ


『うふっ ルナ 大丈夫〜♪ 珍味は溶けないから…』


『えっ…何 珍味っ??』


コンビニ袋と私の顔を交互に見る?(はてな)顔のルナが可笑しくて
そしてとても愛しくて…おもわず頬にkissのお返しをした


〜Two this time〜ふたりのこの時間


ねぇ ルナ 今夜もわたしを酔わせて…