Runa&Emi(ルナ&エミ)partV


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                  【〜Past love〜回想〜1〜ルナとマユ〜

                            


どうして?と
何度も質問するマユにとっさに取り繕った


『う〜ん どうしてって…実は 片思いだからね
それに そのひと既婚者だし だから…もうあきらめるつもり(苦笑)』


「それは辛いですね〜……。でも、大丈夫 ルナさんなら
またきっといいひと現れますよ〜」


さっき私がマユにかけた言葉がそのまま返ってきた


『あれっ いつの間にか私が慰められてるね(笑)』


「ほんとですね〜(笑)」


そんなことで笑いあってから マユは、なにか吹っ切れたのか
さっきまでの落ち込んだ様子が一変して…明るく喋りはじめる


マユの話に相槌をうちながら、頭の中ではサオリとの今後のことばかり考えていた。
最近は、すれ違いばかり 会えない日が続いていた…

彼女の今の生活環境を考えると…やはり私が離れなきゃいけないのかな
ちゃんと話し合いしなきゃ・・・そんなことばかりが頭の中巡っていた



・・・途中 会社から電話が入り
急遽はいった仕事で打合わせに向かうことになった


『マユさん ごめんね ゆっくりできなくて』


そう言いながら胸の内ではこの場を
抜けられることに少しホッとしていた


CAFEを出たところで それじゃあと手を振ると
マユがなにか言いたげに目で私を引き止めた


『どうかした マユさん?』


「あの〜ルナさん またお話できますか?
 私の相談相手になってほしいんです」


『ええ 勿論 いいですよ 私でよければ』






そんな返事をしてから2週間後
偶然…マユと再会することになる


あるBARのカウンターで
ひとり水割りを飲んでいた夜の事

今はひとり…だが 1時間前 隣にサオリが座っていた

【もう 私たち別れましょう……こんな繰り返しは辛くなるだけ
迷ってても答えは一緒だもの…】

サオリは落ち着いた口調でルナを見詰め告げた
そして…静かに席を立ち店から出て行った


引き止める言葉はもう出てこなかった
今度こそ…もう戻れないと思った


必死に涙を堪えながら水割りを流し込んだ



店のドアが開く音がするたび
もしや…サオリが戻ってきたのかもとふり向いた


何度目かのドアが開く音
男女のグループが店内に入ってきた


「あれっ ルナさん?ルナさんじゃないですか〜」


名前を呼ぶ方に振り返ったが…
その女性が誰だかすぐにわからなかった


声の主が近づき 真横に立った時にマユだとようやくわかった


酔いのせいなのか マユの顔がすこしダブって見えた


『あ〜、マユさん(笑)』


「ルナさん おひとりなんですか?」


左右の空いた席を目で示し苦笑いをした


『ええ ご覧の通り ひとり〜』

酔いがかなり回っていたのにちがいない
挨拶をし仲間のもとへ戻ろうとするマユの手を引き、一緒に飲もうと誘った
少し困惑顔のマユだったが、少し待っててくださいと仲間の座る席に
何か告げに行き すぐまた戻ってきた・・・


「ルナさん…なにかあったんですか?」


心配顔で覗き込むマユにグラスを掲げた


『とうとう失恋組の仲間入り〜(苦笑)乾杯しましょ マユさん』





                                                     






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