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【Stop motion〜two heart〜】
CDショップを出て向かった先は ミサオの行きつけのBARだった
ミサオがスマートに煙草を吸う横顔に ドキドキがとまらない
あの日からずっと会いたいと願った奇跡 それがこんなに早く訪れるなんて…
ミサオの小麦色の肌が触れる程の距離にあった これって夢かもしれない…思わず頬を軽くつねってみたりした
こんなにとんとん拍子にことが運んじゃうなんて まるでドラマみたい…
テーブルにミサオがさっき買った2枚のCDを並べた こんどダンスで使う曲を選ぶんだと言う
『ね、エミさん これとこれ…ジャケットはどっちがお好み?』
一枚はセピア色で映し出されていたどこか異国の街の風景
一枚は黒背景のなかに描かれたシンプルな赤いハートのイラスト
「そうですね〜 どっちも綺麗ですね〜(微笑)でもわたしはこっち…」
私は赤いハートを指差した
黒の背景が…ミサオの黒のレオタードに見えたのだった 赤いハートは私… 黒のミサオに抱かれてる…燃える赤のハートの私… そんなことを想像したりしてみた はっ…として 赤面する (なに考えてるんだろう…私 )
ミサオが私の指先見つめ うんうんと頷いた
『ハート選んでくれると思ってた…(微笑)』
ミサオの黒い瞳に見つめられ 赤のハートから指が動かなかった…
「じゃあ このハートから曲 選んじゃおうかな〜♪」
持った煙草を灰皿に置き ミサオは私の人差し指に指を重ねた
流れるSwing Jazzのメロディーが会話を途切れさす
―頭の中でシーンが早送りされる…
『エミは、もう酔っちゃった?』
いつのまにか、ミサオは私のことをエミと呼んでいた
ミサオの声が耳元で響くとなんだかとても心地よかった
私を酔わせてるのは そのハスキーな声でもあった
身体が熱く火照ってきてるのがわかった
軽い眩暈がしたのは お酒の酔いのせいじゃない
気がつくと 私はミサオの腕の中にいた…
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