TYPE HTML PRuna&Emi(ルナ&エミpartV


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  Stop motion〜two heart〜】


                            



CDショップを出て向かった先は
ミサオの行きつけのBARだった


ミサオがスマートに煙草を吸う横顔に
ドキドキがとまらない

あの日からずっと会いたいと願った奇跡
それがこんなに早く訪れるなんて…

ミサオの小麦色の肌が触れる程の距離にあった
これって夢かもしれない…思わず頬を軽くつねってみたりした

こんなにとんとん拍子にことが運んじゃうなんて
まるでドラマみたい…




テーブルにミサオがさっき買った2枚のCDを並べた
こんどダンスで使う曲を選ぶんだと言う


『ね、エミさん これとこれ…ジャケットはどっちがお好み?』


一枚はセピア色で映し出されていたどこか異国の街の風景

一枚は黒背景のなかに描かれたシンプルな赤いハートのイラスト


「そうですね〜 どっちも綺麗ですね〜(微笑)でもわたしはこっち…」


私は赤いハートを指差した


黒の背景が…ミサオの黒のレオタードに見えたのだった
赤いハートは私…
黒のミサオに抱かれてる…燃える赤のハートの私…
そんなことを想像したりしてみた
はっ…として 赤面する (なに考えてるんだろう…私 ) 


ミサオが私の指先見つめ うんうんと頷いた


『ハート選んでくれると思ってた…(微笑)』


ミサオの黒い瞳に見つめられ
赤のハートから指が動かなかった…


「じゃあ このハートから曲 選んじゃおうかな〜♪」


持った煙草を灰皿に置き
ミサオは私の人差し指に指を重ねた


流れるSwing Jazzのメロディーが会話を途切れさす






―頭の中でシーンが早送りされる…



『エミは、もう酔っちゃった?』


いつのまにか、ミサオは私のことをエミと呼んでいた


ミサオの声が耳元で響くとなんだかとても心地よかった


私を酔わせてるのは
そのハスキーな声でもあった


身体が熱く火照ってきてるのがわかった


軽い眩暈がしたのは
お酒の酔いのせいじゃない


気がつくと 私はミサオの腕の中にいた…