TYPRuna&Emi(ルナ&エミ)partV


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 【I'm lost in your eyes】
                           



『一度だけ…抱いたことあるよ 愛してもいない人をね…』


「……」


『なんとなく成り行きでね…。あのときは無性に寂しかったんだ』


私はミサオから視線を逸らした


「……」


『あはっ 最低だね〜あたし…』



どんなリアクションをすればいいんだろう…
頭の中で言葉を探した



『でもね誤解しないでね エミ! その時は好きな人がいなかったからよ
恋人がいたら絶対しないよ!いくら酔っててもね(苦笑)』




『エミの彼女だってそうでしょう…それってエミと出会う前のことでしょ?』


「…うん」


こっくり頷く私の肩をポンポンとミサオが軽く叩く


『じゃあ 問題ないじゃない(苦笑)過去の事じゃん 許してあげなよ〜エミ 
彼女だって、きっと私と同じようなときがあったんだと思う…なんとなくわかるんだ〜』


(あのときはしかたなかったの・・・)と話しかけたルナの言葉を遮った
自分を思い出していた



私は涙が出そうになり唇をかみしめた



…ほんとは全部 許してる
愛しているから

…どんなことだって受け入れられる
愛しているから




言葉が途切れてしばらく無言の二人







流れるBGMの曲が途切れた時
ハスキーボイスが低く響いた


『今回ね 日本に帰国した理由 実はもうひとつあるんだ…』


「・…もうひとつ?…って?」


ミサオが私を見つめた


『…エミに会いたかったんだ…』


ハスキーな声と惹きつけるその瞳に
早鐘のように私の胸が鳴っていた


『そろそろ 魔法かけてもいい? 今夜、エミが彼女の事忘れる魔法…をね』


ミサオの指先が頬に触れた

その指先の温もりがミサオの魔法だったのだ
私はもう動けなくなっていた


『愛していない人はもう抱かない…。 でも愛する人がいるひとを抱くのはやはりいけないことかな…』


かつて焦がれた黒い瞳が目の前にあった


「ミサオさん…」




〜when I'm lost in your eyes〜

わたしは貴女の瞳に夢中になり…
その瞳のなかでわたしは迷っている〜♪


BGMからはそんな歌が流れ…


私の脳裏には…あの夜が映し出されていた