Runa&Emi(ルナ&エミ)partV


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  【With you tonight】
                           




『うっ…なんか肌寒いね〜』


Barの外に出るとミサオが両腕をさすった
すっかり秋を感じさせる夜風は半袖の肌に冷たい


「ほんと…もう秋ですね…」


歩き出すミサオの背を見ながら私は携帯を開き
時間を見るふりをしてメールと着信履歴をチェックした


(…はぁ やっぱり…)


…ルナからは何も連絡がきていなかった


『ふふっ…彼女の魔法は待てど…電波にも届かないって感じね・・・』


ミサオの声に慌ててわたしは携帯を閉じた






ほろ酔い気分のふたりはネオンの街をしばらく泳いでいた


ミサオのセリフ(眠れる場所をさがそう・・・)が
頭の中でリピートしていた…。


(今夜は私の壊れそうなこのHEARTが眠りたい場所を探しているのよ…)


浮かんだルナの顔が滲んだ…






『ね〜エミ…あそこいってみよか』



ミサオが指す看板目指して歩く
程なく辿り着いたそこはヨーロピアン調の外観がお洒落なHOTEL

 

『いいじゃん ここにしょう♪…てか わたしちょっと変装しなきゃかな〜』
呟やきながらサングラスをかけるミサオ



「ミサオさん…」


『…ん?』


エントランスに入りちょっと躊躇う私の様子にミサオが
レンズ越しに見つめる


「あはっ なんて顔してるのエミ〜 まだまだエミと話したいだけ で…眠くなったら寝ようね。 大丈夫・・・彼女裏切るようなことはしないからさ〜(笑)』


そんなやりとりをしてると私達の前を通り過ぎ
怪訝そうに振りかえりながら男女のカップルが入ってきた



そのカップルが数メート先の案内版で立ち止まる
男性がパネルで部屋を選んでる間
女性の方がチラリと私たちに視線を送った


その視線に…私は咄嗟にミサオの腕に手を廻した


カップルはエレベーターに向かう際
女性だけが再度 私たちの方をチラッと見る

そして密着してる私達の様子に納得の笑みを浮かべ頷いた


『ふふ…恋人同士に見えたのかな・・』


ミサオの言葉にハッとして腕から手を離した


『さっ…エミ 行こう 怪しまれないうちにね(笑)』


ミサオが私の手とり再び自分の腕に巻いた


『部屋に入るまでこうしてなきゃね(笑)』



With you tonight
〜今夜はあなたといたい〜



こんな風にミサオとふたりになること
私は予感していたのかもしれない


きっと あの再会の日から…






                                                      

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