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【〜誘惑〜1】
日曜日は、もしかしての・・・出来事はなく
ただ歩き疲れただけだった。
また、週末に来てみよう
ルナの手がかりはここしかないんだもん
逢えるまで・・・あきらめない
金曜日・・・
退社時間 ロッカーの鏡の前
ルージュを塗りなおしてると、三つ離れたロッカーから
ファンデのパウダーを叩きながら亜紀子が聞いた
「ネッ ネッ〜 エミ 今日 今から予定ある?」
『う〜ん 特に何もないけど・・・何?』
「シンジの知り合いがやってる カジュアルバーにいくんだけど
一緒にいかない?シンジがね エミを是非つれてこいっていうのよ〜」
シンジとは亜紀子の彼のこと 2、3度会ったことあるけど
そんなに話したことないのになんで連れて来いなんだろう?
『二人でいけばいいじゃない〜 私を連れてこいってどうして?』
「このまえの土曜の事 エミに悪いことしたなぁ〜ってシンジも言っててね
だから、今日 お詫びに彼がエミにおごるって言ってるのよ」
『そんなのいいわよ〜、亜紀子にランチ奢ってもらったし
気にしないでって言っといて〜』
「あのさ〜シンジの友達もくるの エミに会わせたいんだって
だからエミきたらさ〜丁度2:2になれるじゃん〜♪」
『はぁ〜 それって勝手に、セッティングしてない亜紀子?』
「いいじゃん、彼、彼女いない同士で 恋が生まれるかもよ ウフフ♪」
はしゃいでる亜紀子を横目に、ロッカーの鍵をしめて手を振る
外に出ると亜紀子が追ってきて私の前で両手を合わせて哀願する
「ねぇ〜エミ お願い! すぐ帰っていいからちょっとだけ顔出してよ
もう行くって返事しちゃったんだもん〜」
私は目の前の亜紀子のすがる目を見ながら考えた
《そうだな〜・・・たまにはいいか、お酒も最近飲んでないし》
『まったくぅ〜、仕方ないなぁ〜でも本当にすぐ帰るからね・・・』
こんな週末の夜、本当はまっすぐ家に帰る気にもなれなかった
あの日から ずっと心はずっと彷徨ったままだったから
外を歩けば、無意識でルナ似た人を追ってしまう
いつもどこかでルナと逢える奇跡を願っていた
その願った奇跡・・・
こんなに早く起こるなんて思いもよらなかった
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