〜甘い香り〜@
『ねぇ エミィー 洗面台の下からシャンプーとってよー』
シャワーの音とともに 響くルナの声
洗面の鏡の前
私は、髪を乾かすドライヤーの手を止める
『うん わかった ちょっと 待ってね』
シャンプーをとって閉めようとして
ん・・・?
ふと目に入った ピンクの小さな小瓶
手にとって見た・・・
それは 甘い香りのあのコ・ロ・ン
まだ1/3くらい残ってる
ルナがつけるような香りじゃないね
『ね、あった?』
バスルームのドアから 手をのばすルナ
『うん あった あった^^; これね はい・・・』
左手で隠すピンクの小瓶
『サンキュー、髪乾かしたらさ〜 テレビでもつけて 待ってて 』
《これ 前の彼女が愛用してたもの?》
シャワーしてる シルエットのルナに問いかける
《聞こえるわけ ないっか・・・》
そのコロンを手にしたまま
半乾きの髪でベランダに出てみる
時折吹く風が冷たい
《ねえ・・・どうして?》恐くて聞けない
コロンの蓋をあけて 指先をぬらす
甘い香りね・・・
《ねぇ 私 ちょっぴり意地悪しちゃうよ・・・いい・・》
ぬれた指先で耳の後ろをなぞる
漂う甘い香り・・・
《あなたは、いつもこの香りに包まれながら、彼女を愛したんだね》
指先を見つめる
シャワールームから出てきたルナの声が聞こえた
『エミィ・・・なんか涼しい風が入ってくると思ったら ベランダにいたんだ 』
『うん; なんだかドライヤーしてたら、汗かいちゃって〜、でも外の風つめたいね』
『そっか〜もう中に入りなよ 風邪引いちゃうよ 』
タオルを片手に私の髪をかきあげようとするルナの手
『エミィ 髪が ほらこんなにまだ濡れて・・・』
私の髪にふれる手と言葉が止る
・・・気づいたのね
『ね・・・いい香りがしたでしょう?』
Runa&Emi(ルナとエミ)